日本の刑法39条(心神喪失者の行為を罰せず、心神耗弱者の場合は減刑する)
の理不尽さに切り込んだ渾身のレポート。
日本では心神喪失があまりにも安易に乱発され、癇癪やらアルコールや覚醒剤中毒者にまでバンバン適用し、不起訴または無罪放免となる殺人者だけで毎年百数十人もいるそうです。
精神障害殺人者のうち、およそ85%が不起訴となっていて、再び犯人が近所を歩いている可能性が高い
(クモ膜下出血による意識不明で起こした事故や、常染色体異常の子が本人の意思とは無関係に起こした事故はまた別の話です。)
中には「刑が軽くなることを知っていたので酒で景気づけ犯行に及んだ」とか、「心神喪失は不起訴」を悪用した犯罪者の話や、
「犯人が処刑されるのがかわいそうだから分裂病と書かざるおえなかった」
「精神鑑定をしても結局わからない。わからないとは書けないから適当な結論を記入しておくしかない」
という医者による証言もあり、( ゚Д゚)唖然としてしまう。
要するに心神耗弱に何の定義も制限もなく、あいまいであくまで過去の一時点における推測なのだそうです。
心神喪失で無罪というのが必要であれば、必ず刑事治療処遇施設があるべきなのに、日本にはそれがない。
精神病は簡単に治らないのをわかっていることなのに、
殺人しても無罪になって数ヶ月で出所し通常の生活を再開する…
予防も治療もいいかげんなのです。まさに野放し。
あまりにも危険すぎる!
彼らは生きているかぎり同じ行為を続けていくだろう。
事実、恐るべき事態も起きている。
『中1の時に4歳下の少女への殺人未遂を「なかったこと」にした学校関係者。
15歳の時の殺人に対して2年弱の医療少年院でお茶を濁した少年法関係者。
先天性異常をなきものとして、30歳時の殺意を否定した刑事司法関係者。
全員がそのときどきの「現在」に関心があるだけで近い未来に同じことが繰り返される危険性についてあまりにも無頓着かつ無責任なのである。』
つまり日本の刑事裁判では、
「正常」な犯罪者には厳罰を、
「若干ヘン」な犯罪者には神経耗弱や心神喪失を適用し、
「かなり異常」な犯罪者は存在しないことになっていたのである。
例えば、動機が不可解は通り魔殺人は無罪にしてよい、ということになっている。
例えば、22歳による5人殺しは、「異常」であり「了解不可能」とされしたがって「心神喪失」の可能性が高いゆえ不起訴となる。
『凶悪犯罪が100%の理性によってなされているという発想も、100%の異常性によってなされるという発想も間違っていると思う』
覚醒剤をやって殺人を犯したら不起訴とか無罪になるのはオカシイと感じる世論が高まってほしい。
(それなのに、例えば犯人の分裂病通院歴が報じられるや全マスコミは自粛してしまうので、事件がなかったことになってしまっている!)
無罪にするなら野放しせず、せめて、きちんと治療処遇する法務省管轄の施設を作ってほしい。
作者の主張をここに強調する
『いかなる理由によってであれ、またいかなる精神病者といえども、自らの意思でおかした犯罪の結果に対しては刑事責任を負わねばならない』